YUI -ユイ- シーズン2 【予告】

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ラノベ書きました。構成はできているので、s2の第1話を予告として使ってみます。もしよろしければ、どうぞ。

photo-credit: syui


YUI -ユイ-



s2:シーズン2






01:魔力と機力



アリスは、最後の力を振り絞り、夢から現実へユウキを昇華させる。夢の世界でしか存在しないはずだったユウキだが、今は、現実に実在する人物として、桜小学校に通っている。

ユウキは、ある夏のとても暑い朝、学校に登校し、校門のところでちょっとだけ立ち止まった。アリスがいなくなったあの日のことを思い出しているのだ。

校門で立ちすくむ彼の名前は、伊藤 勇気(いとう ゆうき)。旧魔法都市のレベル6以外では、唯一、旧世界の記憶を持つ人物だ。

ある日を境に魔法都市と世界政府という区別がなくなった。ある日とは、ユイという旧魔法都市最高レベル7の人物によって、世界が再構築された日のことだ。

新しい世界では、魔力と機力という2つの力が存在していた。魔力というのは、魔法の力のことで、現在の科学では、誰もが持ちうる力とされていた。ただ、子供のほうが魔力が強い傾向にあるようだった。

この魔法の力は、ユイのように、念じるだけであらゆる物質を分子レベルで分解、結合できたり、考えるだけでモノを動かしたり、浮かしたりできるすごい力を持った者もいれば、モノを1センチ浮かせるだけで精一杯の者まで色々だ。

魔法は、ありとあらゆる種類に別れ、それらを組み合わせて様々なことを実現できた。

例えば、ユイの創造魔法は、先ほど説明した能力が大きな役割を果たしているが、複数の種類の魔法を組み合わせて実現するものだった。

簡単には、創造魔法というのは、ユイが夢の世界で設計した設計図を元に、世界範囲であらゆる物質を分子レベルに分解、結合するというものだ。また、植物、土、水の素材を使うことで、魔法の発動時間を早められたりもした。ちなみに、このユイと呼ばれる人物は、魔法都市レベル7と呼ばれ、想像を絶するほどの最高クラスの魔法力を持っていた。

したがって、実質上、戦闘でユイに敵う者はいないとされている。ただし、強力すぎる能力故に、一歩でも計算を間違えれば自滅してしまう危険がある。よって、ユイは、攻撃前に攻撃範囲や攻撃規模に応じて、ある程度の計算時間が必要になる。

魔法というのは、このように複雑な要素が組み合わさり、非常に多様なものだ。

一方、機力というのは、割りと単純で分かりやすい能力だった。

機力は、世界再構築後に出てきた概念で、クリエイター(創造者)であるユイが独自に創りだした力、能力のことだった。

特定のダンジョンでのみ有効で、簡単に言うと、ゲーム上のスキルのようなものだ。

実は、クリエイターの力は、完璧なものではなかった。例えば、負のエネルギーというものがあったとすると、ユイの力は、その負のエネルギーを綺麗さっぱりに消し去ってしまうものではない。負のエネルギーを移動させたり、閉じ込めるということができるに過ぎない。

そして、負のエネルギーを一箇所にまとめておくために作られたのが、この世界で言うダンジョンだった。

このダンジョンには、モンスターというものが存在し、最終地点には、ボスモンスターが置かれていた。これは、ユイの趣味だろうか。よく分からない。気まぐれにオレのような人間を作って、遊んでたりする奴のことだ。もしかしたら無邪気な遊び人的要素を備えているのかもしれない。

話を戻そう。ダンジョンの最終地点に置かれるボスモンスター(以下、ボス)という存在は、言ってみれば、負のエネルギーの集中であり、このボスを倒すと、負のエネルギーが特殊なアイテムに変換される仕組みらしい。

これについては、旧魔法都市レベル7の力を持ってしても、すべての負のエネルギーを変換するには、膨大なエネルギーと時間を要するため、その作業を新世界の人間に託したのではないかと言われていた。

そして、この作業のために役に立つのが機力という力だった。

しかし、負のエネルギー変換作業は難航しているようだった。というのも、モンスターやボスは、ユイが作り出した法則によって、ダンジョンから出ることはできなかった。そのため、世の中は、負のエネルギーの悪影響を受けることもなく、平和そのものであり、誰もが危険を犯してまで、ダンジョンに入ろうしなかったのだ。

ユウキでさえ、現在の機力レベルは3だった。そして、ユウキの学校でも、機力レベル2以上のものはユウキしか存在しなかった。

ちなみに、ユウキの魔力レベルは、1であり、あまり色々なことはできなかった。しかし、ユウキは、昔ユイにもらった剣をビー玉サイズの持ち運びやすい形にしておく魔法が使えるようになっていて、これには、重宝していた。

そして、ユウキは、ここ数ヶ月、ダンジョンに潜り、ひたすらレベル上げに励んでいた。つい数日前は、初めてボスを倒したばかりだった。

実は、ボスを倒して手に入れられる特殊なアイテムは、色々な効果を秘めており、中には、奇跡が実現するというものまで存在すると言われている。

何故(なぜ)ユウキがそれほどまでにダンジョンにこだわるのかというと、このアイテムが目当てだった。

実は、ユウキは、あの日以来、アリスを生き返らせることができるアイテムを探しているのだった。彼女は、最後に、何か言おうとしてたような気がした。また、このまま彼女が誰の記憶からも忘れられていることが許せなかったのだ。

放課後、今日もユウキは、ダンジョンに入り、ユイから貰った剣を取り出して戦うのだろう。


【つづく】