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サイコパス劇場版の感想



サイコパス劇場版


面白かった。すごく面白かった。

私が作中で最も好きなセリフは、やはり、というかなんというか、今回もシビラが言ってたセリフだった。

外の世界では平和というものがどれほど希少な価値を持つものか、その目で確かめてくるいい。

改めて君も、シビラの偉大さを痛感することになるだろう。




人は何を求めているのだろうか。それは、正しさだろうか。

いや、違う。人が求めているものは、多くの場合、現状に対する維持や反発の心理に過ぎない。

この作品では、シビラの正体を知った人たちがそれを明らかにしている。

今までと違う何かに対し、それが正しいか否かではなく、それが今まで認識していたものと異なるものかどうかで人は判断し、そして、それが正しいかどうかは関係ない。しかし、それを正しいという言葉で表現する。

事実として、正しいものなどどこにもない。

過去、現在、未来においても正しいものなど一つもなかったし、ないだろう。

例えば、過去の日本政府も正しくなかったが、現在の日本政府もやはり正しくない。そして、同じようにシビラもやはり、正しくはない。

にも関わらず、シビラの正体を知った朱は、思った通り、シビラに対して、反発した。しかし、シビラも正しくはないが、同じように、今までも、そして、これからも正しい時など存在しなかった。では、なぜ、シビラは正しくないと感じるのか。

これは、過去が正しく、既知が正しく、逆に、未来は正しくなくて、未知は正しくないという感情に由来すると推測する。

ただ、朱は最後、結果がわかっている選挙について口を出した。この行動について、私はそれを支持する。

シビラは、結果がわかりきっているので、意味は無いっていうが、重要なのは結果ではなく、プロセスであり、そこに至るまでの経緯である。

特に、選挙や民主主義という制度において、それは昔から言われていることだったりする。朱は多分、このことを言っていたのだろう。法律でも議員立法はとても少なく、法律の殆どは官僚が作っているのだが、それを承認したのは誰か、または賛成多数で可決したのは誰かというのが民主主義制度では非常に重要だとされている。この点、結果がわかっていたとしても、選択したのは誰か、承認したのは誰かというのが非常に重要だということだろう。

「歴史に敬意を払いなさい。シビラ」

このアニメは非常にわかりやすいし、バランスもとれているので、とても面白い。

結果を重んじるシビラと、手段というか経緯を重んじる人間(あかね)が対照的だったように感じた。

本来的にどちらも重要なものだが、未来において、より結果のみを重視する傾向を予測し、それを警告しているようにも見えた。

ただ、シビラシステム自体は、権力を与えるにふさわしい人間を選びやすいという点で、今の世の中では、なかなか便利そうなのではないかと感じた。

不祥事で辞職する都知事が多すぎる気がするので、そういった判断は人間はもともとあまり得意ではないのかもしれない。